大島通
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9マルキの一元(ひともと)は実在するか?
2種類の7マルキの大島紬があります。実はこの2つには、決定的な違いがあります。
それは織り技法です。

右側の大島は、見慣れたT字の絣模様(“片ス”と呼びます)が連なっています。
近年の大島の典型的な絣模様です。
一方左側の大島は、なにか十字型の絣模様が見えます。
これは一元(ひともと)と呼ばれる技法で、下に示すように絣模様の構成が違います。
大島紬最大の特徴である、絣の白をよりくっきりと表現できる一元は、つい20年前には主流の技法でしたが、近年では有能な職人の急速な減少により、簡易な片スが主流となりつつあります。
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| ※簡略化したイメージです。実際の織りはより複雑です。 |
片スが縦横1本ずつ絣合わせすればよいのに対し、一元の場合縦横2本ずつ、計4本の絣合わせが必要となります。その技法の困難さは、総絣と比するべきもので、一元では7マルキが限界と、市場では言われています。

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図 案
二代目織元 岸田 文司 (85)
奄美大島紬伝統工芸士会顧問 |
製 作
三代目織元 岸田 恵光 (56)
大島紬伝統工芸士 |
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| 織 り : 9マルキ一元式 染 め : 純泥染め |
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[織りの設計]
mp4形式 2.8MB |
[糸の準備]
mp4形式 3.8MB |
[機織の様子]
mp4形式 3.3MB |
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[目の合わせ]
mp4形式 1.7MB |
[完成品]
mp4形式 5.4MB |
[接写]
mp4形式 2.8MB |
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[文司インタビュー]
mp4形式 5.3MB |
実は岸文大島では9マルキの一元をあつかっております。
その名を「珊瑚花(さんごばな)」と長年呼ばれています。
この名は昔から職人間でいい伝えられてきたもので、純泥染めと複雑な織りからなる強烈な個的表現に、一年の年月で数ミリしか成長しない珊瑚にも例うべき究極の造形美を見たのです。命名者などは不明です。
今回のこの復刻・珊瑚花にはモデルがありました。
昭和47年(1972)年 昭和天皇・皇后両陛下が2回目の奄美大島行幸の折りに、この珊瑚花のもととなる商品が献上されました。
作成者不明の逸品は、究極の職技法「9マルキの一元」で構成されており、その製法は、文献・図柄ともに資料が残っておらず、長くまぼろしの紬とされてきました。
しかし岸文大島二代目・文司と三代目・恵光とは、この作品の端切れを基にその複雑な製法を分析し、さらに高度な織技術を取り入れ、ついに「珊瑚花」を完成させました。
「珊瑚花」は、生産全盛期といわれる1970年代当時でも、複雑且つ高度な技法から、織りの可能な職人もほとんどなく、製造もされていませんでした。
以後「珊瑚花」は、奄美大島紬職人間の語り草となっていましたが、四代目聡司は奄美の匠へ幾度も足を運んで頼み込み、30余年のときを経てついにこの「珊瑚花」を復刻させました。
完成までに2年を要した逸品中の逸品です。


7マルキの一元との比較
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